テニスラケットの科学(101)  テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(8):地面を蹴る動きについて

蹴らない横移動は、蹴る横移動に比べて、バッテリ消耗が少なく、連続繰り返し動作回数が多く,長い時間確実な動きをします。したがって、「省エネ」身体操法ということになります。

初期においては、蹴っても蹴らなくても1回の横移動時間は、約0.9秒で、大きな違いがないのに、バッテリが切れるまでの繰り返し数は大きく異なります。

蹴る横移動はおおよそ(平均)10分間に300回程度、蹴らない横移動は(平均)12分間に700回程度、連続横移動を繰り返します。
蹴る動作はバッテリの消耗が激しく、後半は、関節モータのトルク不足(電流不足、結果として速度が出ない)で、酔っぱらいのようなフニャフニャのだらしない動きになってしまうからです。蹴る横移動は、バランスをとりながらの動きなので、バッテリが消耗しかかってくると、動作が不完全・不確実で転倒しやすくなります。

テニスプレイヤーが疲れてくると、動作が不完全で素早い動作ができなくて、転倒しやすくなるのに似ています。

参考文献
・パワーテニスにおける滑りにくい転倒しにくい身体負荷の少ない省エネ・フットワーク
Energy Saving Footwork that is hard to Slip and Turn over with a Little Physical Load in Power Tennis、川副嘉彦、シンポジウム:スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス2013 〔No.13-34〕日本機械学会、pp.1-10.

テニスラケットの科学(101)の補足(2020/4/6)➡