テニスラケットの科学(103)  テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(10):地面を蹴る動きについて

【地面を蹴らないで向きを変える方法】

「サイドに振られて打ち返した場合、つま先で地面をとらえ、足首の力を使ってセンター方向への蹴りだしを行います。」、「足首を使って蹴りだすのだ」などの解説が見られますが、(異見あり!)です。

二足歩行ロボットでは、足裏を浮かして(踏ん張らないで)前脚を後ろ脚の形に,後ろ脚を前足の形に瞬時に切り替えることにより、何もしないで(地面を蹴らないで)自然の力(重力、転倒力)を利用して,自然に反対方向に瞬時に向きを変えることができます(この場合は180度)。
上体の前傾角度と脚幅(歩幅)と脚の入れ替え(モータ)速度が大きいほど、大きく向きを変えることができます。したがって、これらの組み合わせにより、任意の角度に向きを変えることができます。

動画1:(実時間)地面を蹴らないで反対方向に(180度)向きを変える。ロボット実験(川副研)2005年。
動画2:(スローモーション)地面を蹴らないで反対方向に(180度)向きを変える。ロボット実験(川副研)2005年fx6000
参考文献
・パワーテニスにおける滑りにくい転倒しにくい身体負荷の少ない省エネ・フットワーク
Energy Saving Footwork that is hard to Slip and Turn over with a Little Physical Load in Power Tennis、川副嘉彦、シンポジウム:スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス2013 〔No.13-34〕日本機械学会、pp.1-10.


テニスラケットの科学(103)の補足(2020/4/8)➡