テニスラケットの科学(128)  テニス書・テニス雑誌の解説に異見あり(22):二重振り子スイング

テニス雑誌の最近号の特集『ストローク大改造』に、ジョコビッチのコマ写真(添付図*)が「ジョコビッチの二重振り子スイング」として掲載されていて、
“「二重振り子スイング」で誰でもヘッドは超加速 球速UP! スピン量もUP! —– 具体的には、インパクト付近までは「普通の振り子」としてスイングし、インパクト付近で右ヒジ付近を支点にして、「もう一つの振り子」を作るのです。(インパクト直前からヒジ付近を軸にしてラケットを走らせる)。振りぬく方向によって、スピン量を変えることができます。”と解説されていますが、(異見あり!)です。

コマ写真(1⇒8)を見ると、上記の解説とは異なって、インパクト後のフオロースルー(7、8)のコマ写真8あたりでは、肩を支点としたスイングに加えて、肘を支点とした二重振り子になっている可能性も多少あるかも知れませんが、打球には影響しないことになりますね!

肩関節(上腕)を内旋していた構え(写真1)から、肩関節(上腕)を外旋しながらフォワード・スイングに移行し(写真2⇒3⇒4⇒5)、一気にインパクト(写真6は直後?)に至っているように見えます。

この間の肘関節と手首関節の角度は、肩関節(上腕)の外旋3次元運動のために変化しているように見えるかもしれませんが、肘関節と手首関節はほぼ一定の角度を保っていて、振り子運動をしているわけではないでしょう!

もし、インパクト付近で肘関節を支点とした振り子運動を作ったとしたら、打球が不安定になる可能性が大きく、フォロースルーでも肩関節トルクにブレーキをかけている可能性もあり、肘関節に障害が発生する危険もあり、避けた方がよいのではないでしょうか!

*画像:2019-0509-ジョコビッチのフォア-from TC2019年4月号p66-67-Sc-kawazoe
:テニスクラシック・ブレーク、2019年4月号、pp.66-67の一部を抜粋、編集(川副)