テニスラケットの科学(508)
(備忘録)2020年12月5日投稿
:いま,科学で わかっていること,いないこと 1995年版(3) まとめとして
:ラケットはどう選ぶべきか

(備忘録)

“ ラケットの性能は,どういう使い方をするかによって,大きく異なってくる.
 自分に最適のラケットがなかなか見つからないのは,そうしたことも理由のひとつとなっている.
 たとえば,重量.自分には重いラケットが合っているのか,軽いラケットが合っているのか.
 それを見極めるには,どのようなプレイスタイルなのかを考えるとともに,このパートで見てきたように,重量がどのような影響や働きを持っているかを知らなければならないのである.
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“ 以上が特性別比較のまとめだ.
 多少強引な結論もあるかもしれないが.これはあくまで目安であり,あとは自分のプレイスタイルや,スイング・スピード,使う傾向が高いショットなどを考慮して,自分に合ったラケットを探してみてほしい.

(補足1)
 ラケットのバランス(重心位置)はラケット操作に重要
 構えの状態で,左手でラケット重心を支えて,右手でグリップを操作(移動)すると,力を入れないでも,ラケットは重心を支点として回転し,ヘッドを楽に移動することができます(力がほとんど不要).
 カタログではフレームのみの場合のバランス値が表示されていますが,ラケット操作では,ストリングを張った状態でのバランス位置(重心位置)を左手で支えやすいことが重要です.
 バランス位置は,フェイス面積の小さいラケットでは,スロート(首)部分にありますが,フェイス面積の大きいラケットやトップヘビーの軽量ラケットでは,フェイス面の中にあるので,構えやバックスイングにおけるラケット操作性という点では,フェイス面積が小さい方が良いことになります.
(参考資料)
ラケット選びの秘訣2:いま,科学で わかっていること, いないこと,
監修・協力/川副嘉彦,テニスジャーナル 1995年3月号(No.137), pp.30-42。

(追記:2024年12月7日)

・川副嘉彦、
 テニスにおける衝突現象の解析とラケットの性能予測・評価
 解説 特集 スポーツを支える計測・情報システム 計測と制御、Vol. 38 (1999) No. 4 , pp. 268-273
https://kawazoe-lab.com/wp…/uploads/2016/08/19990405.pdf

・川副嘉彦,
 ラケットの科学
(従来バランス型と超軽量型の性能比較①)
 テニスジャーナル,第20巻210号,pp.54-58.2001年
https://kawazoe-lab.com/wp…/uploads/2016/07/20010001.pdf
・川副嘉彦,
 ラケットの科学
(従来バランス型と超軽量型の性能比較②)
 テニスジャーナル,第20巻211号,pp.54-58.2001年
https://kawazoe-lab.com/research/rakketonokagaku-2/

・川副嘉彦,
 ラケットの科学
(従来バランス型と超軽量型の性能比較③)
 テニスジャーナル,第20巻212号,pp.54-58.2001年”
https://kawazoe-lab.com/research/rakketonokagaku-3/

・川副嘉彦,
 ラケットの科学
(従来バランス型と超軽量型の性能比較④)
 テニスジャーナル,第20巻213号,pp.54-58.2001年
https://kawazoe-lab.com/research/rakketonokagaku-4/

・川副嘉彦,
(特集:素材とスポーツ)テニスラケットの素材・構造と性能
 バイオメカニクス研究(日本バイオメカニクス学会誌),第7巻2号,(2003), pp.136-151.
https://kawazoe-lab.com/research/tenisutakettonosozai/

・川副嘉彦,
 材料が変えてきたスポーツ用具とパフォーマンス
 (テニスを例にして)
 日本機械学会誌,(スポーツ工学特集号) 第106巻 1010号 2003-01-05 p.13-15
https://kawazoe-lab.com/research/zairyougakaetekita/

・川副嘉彦,
 材料が変えてきたスポーツ用具とパフォーマンス(掲載用原稿)
 (テニスを例にして)
 日本機械学会誌,(スポーツ工学特集号)第106巻 1010号 2003-01-05 p.13-15 (掲載用原稿)
https://kawazoe-lab.com/research/zairyougakaetekita-2/

・川副嘉彦,
 テニスのデカラケ,厚ラケでコントロールとスピードがよくなるのはなぜ
 スポーツ工学(JSEA機関誌),No.2, pp.23-28 (2007).
https://kawazoe-lab.com/research/control-and-speed/

・川副嘉彦、
テニスのトライボロジー
トライボロジスト / 日本トライボロジー学会 編 54(7) 2009 p.452~457,図巻頭1p
https://kawazoe-lab.com/research/tribology-of-tennis/

・川副嘉彦、
 テニスラケットの性能予測・評価システム (創刊29周年特集 )
 (スポーツ工学の最新動向ー運動パフォーマンス向上のための素材・技術・評価 )
  機能材料 30(8) (通号 348) 2010-08 p.18~22
https://kawazoe-lab.com/…/performance-prediction-of…/

➂ 研究発表の追加
2024年
・川副嘉彦、
 市販テニスラケットの軽量化による性能向上と限界
(これらの限界を克服するために新しく設計された種々のモデルの反発特性と打球速度の検証)
 日本機械学会 スポーツ工学・ヒューマンダイナミクス部門講演会2024 予稿集,No.24-62,B-1-3,pp.1-12.
 *講演論文集はJ-stage(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jsmeshd/-char/ja)にて掲載予定.