テニスラケットの科学(411) サービスにおける身体とラケットの操縦法を見る(26) :構えからインパクトまで(特にバック・スイング) :フェデラー選手➂構えからバック・スイング(テイクバック)、フォワード・スイング、インパクトの流れ :デュース・サイドからの1stサーブを横方向から見る(スロー映像とコマ写真)(1)
● 前稿でも書きましたが、
海外では昔から(?)「 Back swing あるいは Backswing」(後ろに振る) という用語が「Forward swing」(前に振る)に対応して使われていて、日本語でも「バックスイング」と訳されています。
しかし、日本では、昔から(?)「テイクバック(Take back)」という用語もバックスイングと同じような意味で使われているようです.
日本における 「テイクバック(Take back)」という用語の起源はわかりません。
私見ですが、「テイクバック(Take back)」、すなわち、「もとに戻す」という意味ですから、400グラム近い木製ラケット(ウッド)の時代では、スイングバックして構えて(ボールを待つ)のが普通だったので、(実際はわかりませんが?ご存じの方はご教示ください!)ラケットを振る前に「もとに戻す」という意味で使われるようになったのではないかと推測します(?)。
一方、軽量ラケットを使った現代のスピード・テニスでは、「バックスイング」してボールを待つと、静止状態から振り出すことになるので、加速する(速度が出る)のに時間がかかるので、タイミングをとるのが難しく、返って振り遅れることになるのではないかと推測します。
そこで、現代のスピード・テニスでは、フォアかバックか、構えを作って動いた後、足場が決まったら、バック・スイングから、フォワード・スイングを経由して、一気にインパクトに至るようになったのではないかと推測します。
木製ラケット(ウッド)の時代と現代のスピード・テニスでは、このような背景の違いがあるので、「グランドストローク」だけではなく、サービス(サーブ)の解説についても、しばしば「構え」、「テイクバック」、「バックスイング」の混同が見られるのではないかと推測します。
*参照(参考文献)
(1) テニスラケットの科学(339) ~(349):松岡修造さんの「テイクバック」の解説に「異見あり!」
:「これが正解 テイクバック」 https://www.youtube.com/watch?v=HPV1OJHArXM は現代高速テニスの「構え」と「テイクバック」を混同しているのでは?
:「正解は小さな動きで大きなテイクバック」では!、ラケットヘッドの軌道に着目すべき!
(2) テニスラケットの科学(373)~(383)
:現代の高速テニスのテイクバックの解説に(再度)異見あり!
:プロのコーチも大誤解している構えとテイクバック
● スイング・トルクが一定の場合、物理的に、打球の速度やスピン量に最も影響するバック・スイング(深さ:最も深い位置)が、サービス(サーブ)の場合にどのように形成されるかを詳細に見ることを試みました!
サーブの場合も、一連の流れるような高速スイングにおける身体とラケットの操縦は、スローで見て理解しないと真似できないと思ったからです。
どのようにしたら、プロや上級者のように高速サーブが打てるのか、そのメカニズム(特に構えからバック・スイング、フォワード・スイングへの切り替え操作)を知りたいと思ったからです。
● まず、横方向から、デュース・サイドからの1stサーブを、バックスイングの深さに注目しながら、見ていきます。
from World’s best tennis magazine Tennis player Created by John Yandell edited by Yoshihiko Kawazoe (courtesy of John Yandell)